幼稚園の役割

幼稚園は子どもたちがはじめて「社会」へ出る場でもあり家庭、地域と一体になって子育ての一翼を担っています。
子どもたちの集団という単位で、家庭とはまた違った活動を行うことになります。

つまり家庭における子育ての環境が変化するにつれて、幼稚園に求められる役割もまた違ったものになるということです。
ひと昔前の子どもたちは、自然に囲まれ地域の中で育っていくということが普通でした。

住環境にほど良い緑もあり、そこかしこで近所の人たちにも見守られながら遊ぶ光景も当たり前のものでした。
地域の開発が進んでいくとともに、そういった遊び場は失われてきています。

その一方で交通事故の危険が増し、各地で不審者などの情報も絶えず報じられるようになり、以前のように親がある程度目を離していても安心して子どもたちを遊ばせておくことができるという環境は稀有なものになっています。
外遊びをするという機会自体が減少していて、土や泥にまみれて子どもたちが帰って来るといった姿はなかなか見られません。

そもそも子どもが泥まみれになってしまうようなことは好ましくないと感じる親が多くなり、ケガをしたり友達と取っ組み合いのケンカをしたりするようなことも少なくなっています。
そういったことで、コミュニケーションや友達との適切な距離感の取り方が身につきにくいという懸念もあります。

そこで幼稚園にはまず、十分な外遊びの機会を子どもたちに提供する役割が求められます。
またその中で多くの子どもたちとかかわることによって、コミュニケーションの術を経験していくことにもなります。

みんなで力を合わせての活動はその後の集団生活にも反映されていきますし、スケジュールに沿って生活する中で決められたルールを守るといった意識も高められていきます。
それとともに、幼稚園で学んだ経験がその後の学校教育にも活かされることになれば理想的です。

物事に対して好奇心を抱くことによって、小学校での勉強に取り組む意欲も違ってきます。
学校教育法の第二十二条が定める幼稚園の目的は義務教育、その後の教育も含めて基礎を培うものとして幼児を保育し、健やかな成長に適当な環境を与えて心身の発達を助長するというものです。

この目的自体は変わらないものであり、そのためのアプローチが時代とともに変遷しているというわけです。
ここにきて幼児教育の重要性について、国家単位で認識が高められてきています。

事実、2006年には教育基本法の改正が行われました。
条文には幼児期の教育を規定する条項が追加され、国や地方公共団体が主体となる旨も明記されています。

これは日本国内だけのことではなく、世界的に見られている傾向です。
研究による裏付けもあり、発達心理学においては人間として豊かな人間性が培われる上で、3歳から6歳といった幼児期にあたる時期を過ごす環境がもっとも重要であるという研究結果が出されています。

幼稚園の環境が社会性、主体性、自立性というそれぞれの基礎をつくることになるのです。

コメントは停止中です。

サブコンテンツ

このページの先頭へ